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それでも・・愛してる
第17章 充実した休暇・・今日は2人で


「楽しいお酒でしたね」

電車を待ちながら、滝川さんは夜風に気持ちよく吹かれている。
時間はまだ8時だが、優太くんを迎えに行かないと。
きっとパパの帰りを待っていることだろう。

「繰り返しになりますけど、本当にお世話になりました。ありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうございました。いろいろ教えていただいて」

これほどまでに充実した休日を過ごせたことへの感謝の気持ちは、
いくら言っても足りないくらいだ。

まだ何か言いたい・・

そう思っているところに電車が滑り込んできた。
一緒に乗り込みながらふと思った。
せっかく新しい縁に出会ったのに、これで終わりにはしたくない・・


「隣りの駅に越してくるんですもの、またお会いできますよね?きっと。
 もし何か困ったことがあったらいつでも連絡してください。それと・・
 奥様が戻られたら・・報告お待ちしてますよ」

「そうですよね、せっかくの縁ですからね。ええ、また・・
 それと・・妻が戻ったらお知らせもします」

ポケットから取り出した携帯電話を手のひらの中でグッと握りしめる滝川さん・・

メルアドは必要ない。
電話番号さえわかっていれば・・それで充分。
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