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それでも・・愛してる
第18章 充実した休暇・・その愛を受け入れて
程よく飲んだはずなのに、家に帰るとまたワインを飲み始めた。
スタンドライトの灯りだけの薄暗い部屋の中で。
滝川さん親子の家も決まった。
優太くんの通う保育園も決まった。
そして住むのはこの隣りの駅に決まった。
貴重な連休の半分近くをつぎ込んでしまったが、
こんなにも充実した時間を過ごせたことに、ワイングラスを宙に掲げながら
その達成感にひたった。
夫婦とか家族とか、興味ないはずだったけど、
あんなにもあの親子が好きになり、憧れの気持ちさえ抱くなんて・・
きっと、神様の仕組んだ罠かもしれない。
長年抱いてきた私の不振を取り払うべくやって来た使者なのかもしれない。
彼らが仕掛けた罠に、まんまとひっかかったのかもしれない・・
子どもは・・もう望まないが、
夫という家族は、いつかは欲しい。
純粋にそう思えるように心が変化していた。
・・あ、そうだ、陽斗に電話・・