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第19章 祝福の中で

濃密で、貴重な時間でいっぱいだった５日間の休暇が終わってから
１ヶ月が経とうとしていた頃。
そろそろ秋の気配に街中が染まり始めた頃。

滝川さんから知らせがきた。
妻が戻ってきた、と。

携帯電話に滝川さんの名前が表示された瞬間、
私にはわかったが、彼の口から聞くまでそのことにふれずにいた。


部屋を決めてから２週間後に引っ越しが住み、
優太くんも保育園に通い始めて落ち着いた頃、
奥さんに新しい住所をメールで知らせたそうだ。
するといつもならカラメールしか返ってこなかったのに、電話がかかってきたという。

戻ってもいいですか、と。

「よかったですね、これで私もやっと安心できました。優太くんも喜んでるでしょ」

「ええ、彼女も今までの事を吹っ切ったようで、明るい笑顔が戻っていました」

滝川さんの弾んだ声が聞けて、嬉しくなった。