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それでも・・愛してる
第19章 祝福の中で
「・・美鈴・・ちょっと美鈴!さあ、アンタの番よ、返事!みんなの前でどうぞ!」
顔をあげるとみんなが注目している。
・・なんて言おう。なんかかっこいい事でも言いたいところだが、
実際に口から出てきたのはごくありふれた言葉だった。
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
次の瞬間、4人がそれぞれのガッツポーズをしていたのを、
まるで聖徳太子にでもなったみたいに見分けて頭に焼き付けた。
クシャクシャな笑顔の健太、顔を覆って声をあげて泣く茜、
静かに涙を流す由香里、そして・・
ゆらゆらとした涙をこぼさないようにして私の瞳を見つめる陽斗・・
こういうめぐり合わせになっていたことに感謝だ。
時間がかかったかもしれないが、
一人では作れない幸せの形をこの先作っていく土台を与えてもらった。
気がつけば、来月は私の誕生日。
40歳という区切りの誕生日。
今度は独りじゃない。一緒に祝ってくれる愛しい人がいる。
39歳、人生に変化を求めてよかった・・・