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それでも・・愛してる
第2章 新しく進む道・・
食事を済ませ、手土産に持ってきたケーキを食べながら、
伸幸にも仕事を辞めた経緯を話した。
「えー?美鈴ちゃん失業したの?」
おませな姪っ子が口を挟むと、
「いいから、おまえ達はテレビでも見てなさい、ね?」
そう父親に言われた子供たちは、
ゆらゆらと揺れる皿の上のケーキに神経を払いながら
素直にテレビの前へと移動していった。
その背中を見ながら私は本音をこぼす。
「これから先の事考えたら、40前に行動起さないとって、思ってさぁ」
ケーキの上のイチゴにグサッとフォークを突き刺し、宙でくるくると回した。
今の気持ちを表すかのように。
「この際結婚でも考えればって言ったんだけどねぇ、このコ全然その気無しなんだもん」
また多佳子はそっちの方向へ導こうとする。
だが伸幸は、妻の意見は軽く受け流した。
「まあそればっかりは・・ねぇ。その気と相手が必要だしね・・
で、なんかこれって思い当たる仕事とか、あるの?」