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それでも・・愛してる
第21章 私達の家探し
お客として陽斗が松下不動産にやって来たのは、
滝川さんたちが来た日から1週間後。
私が持ち帰った、迷ってしまうほどの数の物件情報の中から2人で絞った3件を、
いよいよ内見しようと店に来てもらったのである。
社長はじめ、その時店にいた静江さんと横山さんにも陽斗を紹介した。
恥ずかしげもなく石田の亭主になる望月ですと自己紹介する彼の横で、
私は頬が焦げるんじゃないかと思うくらいの熱さを感じた。
カウンターを挟んで私の前に座る陽斗に、
静江さんがお茶を置きながらじっくりと彼の顔を眺めまわしている。
静江さんと目が合うと、少し垂れ気味の目をさらに緩めて私に合図した。
いいオトコね、と。
私も負けじとだらしのない笑顔を返してから、お客である陽斗に向き直る。
「ではさっそく」
絞り込んだ物件を一つづつチェックし直し、
その3件のすべてを見に行くことになった。