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それでも・・愛してる
第21章 私達の家探し
それぞれの物件を管理している同業者に連絡を入れ、内見する手はずを整えた。
「ではすみませんが、内見に行ってきます。
仕事とはいえ自分のことで申し訳ないですけど」
うまい事仕事時間を利用するなんて、ちょっとずるがしこいかなとも思ったが、
誰の家であろうとこれだって立派な仕事なのだ。
「そんなこと気にすることないのよ。ちゃんと仕事なんだから。
それに今は忙しくないし・・ゆっくり見てらっしゃい」
ポンと肩を叩いて静江さんが送り出してくれた。
「ありがとうございます。じゃあ、いってきます。
・・ではお客様、お車へご案内しますので、こちらへどうぞ」
静江さんから陽斗に向き直り、さぁと手で方向を指し示すと、
「安全運転でお願いしますね~」
と陽斗が減らず口をたたいた。
反射的に彼の頬をつねり上げた瞬間、後ろから悲鳴みたいな声が重なって聞えた。