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それでも・・愛してる
第4章 一歩、踏み出す・・

3日なんて時間はあっという間に流れ、
いよいよ新しい世界へと足を踏み入れる日がやってきた。

陽斗とのことで、なんとなく浮遊する心がうまく時間を使わせてくれなかったので、
なにをするでもなく3日間を過ごしてしまった。


朝、9時半。
「松下不動産」

地味なネーミングの看板を見上げる。

・・今日からここで働くのか・・

自動ドアの開く音に、いやでも反応するのか
この前のおばさんが顔をのぞかせた。

「おはようございます。今日からお世話になります、よろしくお願いいたします」

誰かに笑顔を向けるのは長年の商売で身についている。
今日の笑顔も文句なしだろう。

「おはようございます。こちらこそ、よろしくお願いしますね」

おばさんも納得の笑顔を見せた。

「じゃ、まずこちらへ」

おばさんの後をついて事務所の奥に進んだ。
面接の時に座った来客用のソファには、2人の男が座っていた。
一人は社長の松下さん。
もう一人は、初めて会う男だ。




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