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それでも・・愛してる
第6章 案内デビュー
そろそろ夏の日射しに対策を立てなきゃ、とそんな季節になってきた。
春先はものすごく忙しいという不動産屋もこの時期は落ち着きを取り戻し、
どちらかと言えば暇と言える時期だという。
松下不動産で1か月半を過ごしてきた。
初めの頃のマヌケな失敗は徐々になくなり、
不動産屋らしい仕事もそろそろ覚えるようにと静江さんが指導に乗り出してきた。
電話を取ったりお客にお茶を出したりといったことにくわえて、
店頭に並べる物件のチラシを選んでプリントしたり、
同業者への物件の有無を確認したりといった仕事も増えてきた。
ある日、賃貸アパートを管理している会社に部屋の鍵を借りに行くと、
相手先の担当者は、初めての顔である私に興奮気味に、
「いやぁ松下さんのとこにこんな美人がいたなんて!
カウンターに人だかりできちゃうんじゃないの?」
なんてお世辞をまくし立てていた。
「まあ、恐れ入ります」
わざとらしい笑顔で頭を下げてから、急いで店に戻ると、
今度はそのままお客を案内してきてくれと頼まれた。