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それでも・・愛してる
第6章 案内デビュー
・・えー!案内って、なに話せばいいのよ?どーすればいいの?・・
静江さんを事務所の奥へ引っ張っていき、
「案内って・・私やったことないし、なにをどう説明すればいいんですか?」
と、あたふたしながらすがりついた。
「大丈夫、お部屋の中一緒に見てるだけでいいのよ。細かいこと聞かれたら
手元に資料無いからお店でって、言えばいいわ」
「そんなぁ!だいじょうぶかしら・・」
不安がる私に静江さんは、ハッとひらめいたようにこう言った。
「石田さんも賃貸に住んでるんでしょ?
あなたがお部屋を借りる時にいろいろ聞いたでしょう?
お客さんとおんなじ目線で見てあげればいいのよ。
別に無理して勧める必要はないんだから。気に入りゃ借りるから心配しないで」
そんなんで本当に大丈夫?と心の中をモヤモヤさせている私の背中を、
静江さんは押しながらお客に紹介しだした。
「これからお部屋のご案内をこちらの石田が担当させていただきますので」
カウンター越しに挨拶すると、お客のほうが立ち上がって挨拶してきた。
歳の頃なら20代半ば、くらいの男性。
感じは悪くないけど、見ず知らずの男性と車に2人きりって、
なにを話せばいいのかと、私はかなり緊張してきた。