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それでも・・愛してる
第6章 案内デビュー


お客と店に戻ると、静江さんがホッとした顔を見せた。

その後お客は、静江さんとあれこれ話をした後、
今見た部屋を借りたいといってさっそく手続きを始めた。
次回用意してきてもらう書類やらなんやらの説明を受けてから席を立った男は、
私の意見が参考になったと何度も礼を言ってくれた。

初めての案内にしてはかなり上出来。
私に小さな自身を与えてくれた男の後姿に、深々と頭を下げて送り出した。

「すごいじゃない、石田さん!初めて案内したお客様が即決してくれるなんて。
 あなたの説明がよかったんじゃない?
 あの方、かなりあなたの意見を参考にしてたみたいだし」

静江さんに褒められて、なんだか少し照れてしまった。

しばらくして店に戻ってきた社長にも、
静江さんは私の案内デビューを話して聞かせた。
社長も嬉しそうに何度も頷いて、

「そうですか、よかったですね。その調子でがんばっていてください」

と、初仕事の出来に満足してくれた。

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