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世界は灰色で、君は虹色で
第1章 世界は灰色で、君は虹色で
 あんな家に帰る気なんてない。さっき友達と行ったファーストフード店に行く。オレンジジュースとハンバーガーを片手に一階席へ。

 夜の九時。この時間でもまだ人は多い。目に入るのは恋人同士。涙が頬を伝う。どうして私は普通の恋愛を出来ないのだろうか。すべてあの女のせいだ。喚いて泣き散らして、そんな私をあの女は面倒くさそうにあしらった。

 父親のことを聞いたら、あの男の話はするなと殴られた。でも涙を浮かべていた。それがどうしても気になって、こっそりおばあちゃんに聞いたら、私が出来たと分かった時に逃げたそうだ。

 おばあちゃんは私が小学生高学年の時に癌にかかり、中学に上がる頃に亡くなった。最期に、

「お母さんを責めないであげて。優奈ちゃんのお母さんは、それでも愛おしそうにお腹を見詰めて優奈ちゃんを産む決意をしたんだからね」

 と言われた。おばあちゃんの言葉で、あの女を母親と見ようとした。だけど出来なかった。
お水の仕事をして、酒臭くて毎日違う男を連れて帰って来る。私は邪魔者扱い。そんな姿を見て、どうしても母親とは思えなかった。それでも私を施設に預けなかったことには感謝している。だからあの女だとか言って、母親だとか思えなくてもそれでも完全には憎みきれない私がいる。

 それが悔しくて、自分が情けなくて、どうしたらいいか分からなくて涙が零れてしまうのが止められない。
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