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世界は灰色で、君は虹色で
第1章 世界は灰色で、君は虹色で
今、気づくとこの時から私は彰人に惹かれていたのかもしれない。だけど認めたくなくて。私から誘って初めて体が結ばれた時。
「やっぱり初めてやったんやあ」
「うるさいなぁ。だけど、アンタと付き合うわけちゃうからね。しょせん、セフレなんやから」
「はいはい。分かってる」
苦笑いで頭を撫でる彰人に、私は顔を逸らす。今、思うとあれは完全な照れ隠し。あとは彰人には他に女の子がいるんだろうって信じてなかっただけ。
思い出すと春夏秋冬、色々な所に遊びに行った。彰人の家での泊まり。何度も肌を重ねて愛を語らった。あれは、本当に嘘だった? 嘘じゃない。本当は心からの言葉だった。認めたくなかっただけ。
あの女みたいになりたくない。男なんて利用する。そう思ったけど、でもそれこそあの女と同じになるってこと。いつも彰人は、笑っているけど、本当は傷つけていたのかもしれない。
私を体だけの、それだけの存在だと思っていたのなら、ホテル以外の場所に連れて行くわけがない。言いたくもないだろう自分の過去の話をするわけがない。なんてことを私はしていたのだろう。
今からでも間に合うのだろうか。オレンジジュースを飲み干すと私は店を後にして、駅に向かった。
「やっぱり初めてやったんやあ」
「うるさいなぁ。だけど、アンタと付き合うわけちゃうからね。しょせん、セフレなんやから」
「はいはい。分かってる」
苦笑いで頭を撫でる彰人に、私は顔を逸らす。今、思うとあれは完全な照れ隠し。あとは彰人には他に女の子がいるんだろうって信じてなかっただけ。
思い出すと春夏秋冬、色々な所に遊びに行った。彰人の家での泊まり。何度も肌を重ねて愛を語らった。あれは、本当に嘘だった? 嘘じゃない。本当は心からの言葉だった。認めたくなかっただけ。
あの女みたいになりたくない。男なんて利用する。そう思ったけど、でもそれこそあの女と同じになるってこと。いつも彰人は、笑っているけど、本当は傷つけていたのかもしれない。
私を体だけの、それだけの存在だと思っていたのなら、ホテル以外の場所に連れて行くわけがない。言いたくもないだろう自分の過去の話をするわけがない。なんてことを私はしていたのだろう。
今からでも間に合うのだろうか。オレンジジュースを飲み干すと私は店を後にして、駅に向かった。