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想いの声 心の声
第18章 都合のいい女
何なの?ズルい!こんな時だけ。


いつも自分から連絡なんてして来ないのに!


──***
「もしもし」


「俺…お前暇でしょ?ちょっと付き合ってくんない?」


鳴らないはずの電話に有頂天。


車の助手席に乗り


「どこいくの?」なんて会話に心が弾む。


駐車場に車を止めて


「ちょっと歩く?」「そうだね!」


じゃれ合いながらお土産屋さんを回る!


誰が見ても仲のいい恋人に見えるでしょ?


湖畔のレストランで食事して会話を楽しむ!


帰りの車の中


「ねぇ今日何で誘ったの?しかも湖って!」


「えっ?う~ん」んっ?


なんか今、目が泳いだ?動揺してる?


「ねぇ何で?なんかあるの?」


「いやぁ来週さぁ、あそこで花火大会があんじゃん!その下見しとこうと思って。」


えっ?───


花火大会ってそんなの私聞いていない!


胸がギュッって痛くなる。


「行くの?」
「んっ。」


「誰と?」
「──────」


なんで黙ってるの?


なにも喋ろうとしない彼に


「彼女??」


曖昧な返事しかしない彼。


私はただ窓の外を眺めて今にも溢れそうな涙を必死に抑える事しかできなかった。

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