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失恋キューピッド
第3章 *深之side*
そして残ったケーキを指し、
「これ持って帰ってもいい?」
と上目遣いで言う。

「…アユミが一人で食うなら良いけど、オトコに食わせるなら駄目」

「…森本センパイは?」

「うーん、そうだな、晴世さんなら…つーか、アユミまさか晴世さんに俺が作ったとか言ってないだろうな?」

今どき珍しくもなかろうが、年頃男子としては菓子作りが趣味だなんてことを憧れのおねーさんに知られるのは何か恥ずかしい。

「…言ってない」

「そっか、ならいいや」

「…やっぱり持っていかない。明日また食べに来るから取っといて」



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