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失恋キューピッド
第6章 〜晴世side〜
なるほど、矢野さんの様子がおかしいことに晃弘も気づいていて、送りがてら悩みを聞き出して解決策として思い付いたのがあの『交際宣言』だったというわけか。
(なぁんだ、そうだったんだ…)
「なにやってんのよ、バーカ」
「ハル!なんでここに?」
さっきのアレが方便だったことにホッと胸を撫で下ろしつつ、さりげなく晃弘の隣に座る。
晃弘のことを好きな矢野さんが嘘の『交際宣言』でどんなに傷つくか痛いくらいよく分かるはずなのに、心配するどころか安心するなんて私は最低な女だ。
「まさか高石君が噂の『ミユキちゃん』だったとはね」
胸のうちを隠して素知らぬ顔でノートを差し出すと、
「あ!…すみません、森本センパイにはバラすなって言われてて」
矢野さんは大事そうに受け取り俯いた。
「何だよ、ハル、知り合いだったのか」
「正俊と同じサッカークラブの子。下の名前はさっき初めて知ったのよ。…お父さん以外は一人にしか呼ばせないって弟から聞いてたけど、それが矢野さんだったのね」
「嫌だって何度も言われたんですけど、あたしが止めないから諦めたみたいです」
(なぁんだ、そうだったんだ…)
「なにやってんのよ、バーカ」
「ハル!なんでここに?」
さっきのアレが方便だったことにホッと胸を撫で下ろしつつ、さりげなく晃弘の隣に座る。
晃弘のことを好きな矢野さんが嘘の『交際宣言』でどんなに傷つくか痛いくらいよく分かるはずなのに、心配するどころか安心するなんて私は最低な女だ。
「まさか高石君が噂の『ミユキちゃん』だったとはね」
胸のうちを隠して素知らぬ顔でノートを差し出すと、
「あ!…すみません、森本センパイにはバラすなって言われてて」
矢野さんは大事そうに受け取り俯いた。
「何だよ、ハル、知り合いだったのか」
「正俊と同じサッカークラブの子。下の名前はさっき初めて知ったのよ。…お父さん以外は一人にしか呼ばせないって弟から聞いてたけど、それが矢野さんだったのね」
「嫌だって何度も言われたんですけど、あたしが止めないから諦めたみたいです」