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失恋キューピッド
第6章 〜晴世side〜
「…ねぇ、矢野さん。お節介かもしれないけど、ひとつだけいい?」

「はい?」

「高石君のこと、このままでいいの?返事をした後でもまだ悩んでるのは、後悔してるからじゃないの?」

「…自分でも分からないんです。ミユキのこと、そういうふうには考えられないって思うのに胸のモヤモヤがいつまで経っても消えなくて…ミユキがあたしのこと好、好きだったなんて知らなかったし」

「…高石君がお菓子を作るようになったのって、いつから?」

「んと…小学校の1年か2年か…あたしの父が亡くなってからだったかも…?」

「じゃあ、その頃にはもう矢野さんのこと好きだったんだと思うわ」

「え?」

「ちょっとソレ貸してみてくれる?」

私は矢野さんがしっかり抱えているノートを指差した。



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