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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
葉瑠?もし困ったことがあったら絶対言えよ。
「うん分かった!その時は相談するから」
さっきまでイライラしてたのに不思議だな…葉瑠の声を聞いただけでスーとイライラが消えてくよ。
「なぁ葉瑠?…俺の事好き?」
「えっ?どうしたの急に…」
ん?なんか聞きたくなったんだよ。好き?
「もちろん」もちろん…なに?
葉瑠の口から聞きたいんだけど─
「鏡也君…ちょっとやだ、それは今はいいでしょ」
ヒロちゃんが近くにいるから言えないか?
「うんそうそう」
葉瑠は今、電話の向こうできっとキョロキョロしながら真っ赤になってるんだろうな。
「鏡也君……大好きだよ」え?言った……
「ヒロちゃんは?」
「お客さんにカクテル持ってったから…今のうち」
あっ…来た……もう言わないよ。
クスッ、はいはい。
「ねぇ鏡也君、ゴールデンウィークなんだけど」
ん?あっ…そうだ俺も、そのことで葉瑠に話があったんだよ。
実は───
「ごめんな」
「そっか……仕事だもん仕方ないよ」
葉瑠は元々展示会って言ってたし、俺が帰れば別に問題ないって思ってたんだけど……
今年の北海道研修はGWにやるらしいんだ!
うちの会社は海外のアーティストを招待してコンサートもするから今年はその関係で日程がずれ込んだらしい。
正直、俺は支店勤務だからメンバーから外してほしいとこなんだけど。
でも1日だけなら帰れるからさ
「鏡也君…それはダメ。ムリしないで…来ても次の日には帰らなきゃいけないんでしょ?」
「ダメだよ…我慢出来るよ私。ねっ平気だから」