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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
.:*:・'°☆
ジムのおかげで身体だって少しだけ引き締まってきたし…料理だって上手に作れるようになったのに、それを食べさせたい人に逢えないんだから

───***
「はぁ~」
「お前なぁ、さっきからため息ばっかりついてんじゃね~よ」
あ~それはど~もすみませんね!

ペシッ。「痛たっ」へ?……あれ?藤堂部長─
ちょっとなにするんですか。叩かなくても…

「お前な~俺の話聞いてたか?」
えっとなんでしたっけ?

「展示会の話だ」
あっ!すみませんもう一度お願いします。

「はあ?」
ヤバい!部長の顔色が変わって来た。

「はぁ~ぁ!今…なんの時間だ?」
部長ったらそんな大袈裟過ぎるほどのため息を…

「打ち合わせ中でした」すみません!


〝そんな暗い顔で仕事されたんじゃ他のみんながやる気がなくなるだろ~が〟叱られちゃった。

気持ちを切り替えなきゃいけないって分かってるんだけど……どうしても考えちゃう!

だってGWに展示会って!それがなかったら逢いに行けたのに…ため息くらい出ちゃうでしょ。

「……今度はなんだ?…」
「えっ?何がです?」

その、ため息の原因だよ!って。
「どうせまた彼氏だろ?お前がボーとしてる時は大抵それだ」
「………あっ、いえ、えっと」

部長は私の様子ですぐ分かるんだって!
お前らいつになったら落ち着くんだよ。…部長はそう言うけど…そんなの私が聞きたいよ。

「いつまでもそんな事じゃ困るんだよ!40周年記念だぞ、ここで大きな失敗でもしてみろ俺の監督責任だ」

はぃそうでしたすみません!

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