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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離

「何があったんだ?言ってみろ聞いてやるから」
いや別に…そんな大した話じゃないので結構です。話すと長くなるんで─

だって部長には鏡也君が転勤したことも言ってないし…

「いいから最初から吐けコラっ!」

っんっ……吐けって……いつになく凄い怖い顔して睨んでくる。

鏡也君に逢えなくて寂しいんです……なんて言ったらもっと怒らない?

「分かった!彼氏が浮気でもしたんだろ?」
やだ部長ワイドショー見すぎですよ、鏡也君が浮気なんてするわけないじゃないの

「じゃなんだよ」もう部長ったら、そんなに気になるんですか?私達のこと……

仕方ない!
「……婚約……したんです」
「はあ?」

「婚約ってお前が?」
「はぃ」
そんなに驚く?ガキの癖にって思ったかな。

部長ったら驚き過ぎて何も喋らないんだけど…
何か言って下さいよ。

「あ~その、婚約って─お前と…アイツだよな?」
はぃ、たぶんそのアイツです。

「そ、そうか…決めたのか、良かったじゃないか」
じゃ嬉しそうにしろよ嬉しくないのか?……あ~あれか?マリッジブルーってやつか?

まだ全然そこの段階までいってないんだけど。


「いつだ?式は」さぁ~いつになるやら。

なんだそれ。俺がわかるように説明しろ……!

それから結局、鏡也君の転勤の事やら予定の決まってない結婚の事まで…全部喋らなきゃいけなくなった!


「1年って…1年で終わる転勤なんてあるのか?」
最低でも再建なら2、3年掛かるぞ

「……え…!?」

1年って事はないだろ~そんなに簡単に帰って来れないと思うけどな……

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