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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
大丈夫なのに!
そんな事言うのやめてほしい
「………鏡也君…1年って言ったもん」グスッ
「えっあっそうだな、大丈夫だきっと1年で戻ってくるんじゃね~か……泣くな宮下」
大丈夫だほらっあと半年くらいだろ?
半年なんてすぐだぞ……!
俺が言ったのは例えばの話だから……
部長が必死にファローすればするほど本当のような気がする。
──//
「落ち着いたか?」はぃ。
せっかく部長に本社勤務にしてもらったのに…
「また遠距離になっちゃいました」アハハ
「それは宮下のせいじゃないだろ」
部長には、一緒に行こうと思わなかったのか?
前は会社辞める気だっただろ…って!
そう言われた。
本当はそれも考えたけど…でも新しい仕事が始まったばかりだったし─
「もし2年とか3年って事になったら…宮下はどうするんだ?」
部長にそう聞かれたけど返事が出来なかった。
1年なら頑張れるって思ってやってきたけど!今は不安で仕方がないよ。
****
部長が言ったようにやっぱり1年ってことはないのかな?2年…3年かも知れないの?
もしそうだったら……頑張れるかな?
「はぁ……」
駅で電車を待ってる間も頭の中はその事でいっぱい。
でも鏡也君は1年って言ってたし、鏡也君は嘘言わないよ!
部長は自分で言ったくせに…私が落ち込んでたから焦ったみたいでもう必死。
(ほらっ宮下!俺より彼氏の言葉を信じるんだろ)
なによ今更……
ホームに電車が入って来ると、人が一斉に動き出す…顔を上げると……あっ!
あの後ろ姿は……遠藤さんだ。