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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
いつもなら面倒だから見ない振りだけど、ちょっと鏡也君の事聞いてみようかな?
遠藤さんだったら分かるかも……
──///
電車を降りた遠藤さんに声を掛けた。
「遠藤さんこんばんは」
「あっ……葉瑠さん、ど~も」
今日の遠藤さんはいつもと様子が違った。
どうしたんだろ調子狂っちゃうな~。
凄く無口だし私の顔を見ようとしないの─機嫌が悪いのかな?
今日は聞くのやめといた方がいいな……でも呼び止めちゃったし少しだけ話して帰ろ!
「遠藤さん今帰りですか?」
「えぇ~」
「で、電車混んでて嫌になっちゃいますね」
「も~慣れましたけど」
あっ…そうですか。
やだどうしよう話が続かない……
そのまま改札まで一緒に行くのも気が重い。
「じぁ私はここで、アハハ、さようなら」
「葉瑠さん」へっ?……はぃ、なんでしょ。
さっきまで嫌々喋ってたのに、私が帰ろうとすると急に話し掛けて来た……
何を言われるんだろ。ちょっと怖いな!
「私、葉瑠さんの事誤解してました。鏡也さんが大ハズレって言ってたから安心してたのに…やっぱりじゃないですか?…鏡也さんが居ないからって…大胆ですね?鏡也さん…可哀想…」
えっ、なに?…なんのこと言ってるの…
一方的に話し始めたと思ったら最後に…
「私、やっばり諦めない事にします」
遠藤さん何の話してるの?何を諦めないの?
「ちょっ……遠藤さん」は~行っちゃった!
私の事を誤解してたって……やっぱりってなにが?
しかも鏡也君が可哀想?
諦めないってなによ!私が何をしたって言うの。
なんなのもう…ワケわかんない。