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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離

遠藤さんの言葉が頭から離れなくて、すぐにでも鏡也君に確かめたいのに……携帯はないし、ひとりで考えたってわかるはずないよ──

ずっと胸の奥がモヤモヤして居ても立ってもいられない。

またヒロちゃんの所に行って電話借りようか、でも私が行けばまた送るって言いそうだし…また迷惑掛けちゃう。


──///
結局モヤモヤしたままどうすることも出来なくてそのまま朝を迎えた。

今日は仕事を抜けてショップに行こう、早く携帯を何とかしなくちゃ!


でもこういう時ってうまくいかないもんだね。
「部長…ちょっとラブリエに顔出してセールの様子見て来ます」

「おい待てそんなのは電話で聞け!今日は会場でショーの打ち合わせの日だろ」

えっ今日だっけ?すっかり忘れてた。

今までは会場が同じだったから細かい打ち合わせなんてしなくても良かったけど今回はそうはいかない。

会社創立40周年の記念を兼ねての展示会。

大きな会場を貸し切って招待客も倍以上今日は1日掛けての打ち合わせだった。

「今日は早めに出るぞ支度しろ」
「わかりました」
仕方ない終わってから行けばいいや。

***
1日掛かりだった各部門の打ち合わせも漸く終了した…
あ~頭がガンガンする。

「宮下ご苦労…おい、どうした具合が悪いのか?」
「いえ……大丈夫です」

照明や音響、商品の仮陳列と慌ただしく動き回って疲れが出ただけ
さっきまでは我慢出来るくらいだったのに終わったとたんに強い痛みで耳鳴りまでしてきた…

「宮下遅くなったからみんなで飯行くぞ」

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