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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
送ってもらうのなんて本社勤務になってから初めてだし、その日はたまたま頭痛が酷かったからで……
ちゃんと説明しなきゃ鏡也君…誤解してる。
「鏡也君…聞いて!確かにその日は部長が送ってくれたんだけど、それは私が酷い頭痛だったからで他には何もないんだけど」
部長はみんなと食事に行く予定だったから断ったんだけど……
「断ったけど……結局送って貰ったんだろ?」
「……そうだけど、そんなに怒ること?ただ送ってもらっただけなのに」
部長だって顔色が悪い私を心配しただけだよ。
「ただ送ってもらうのに葉瑠は肩に凭れたり甘えたりするの?」
なにそれ!そんな事するわけないでしょ?
「誰が言ったのそんな事?」
「誰だっていいよ「よくないよ」
私…前の日に気になる事言われて、どうしても鏡也君と話したかったんだよ?
でも携帯はないし、ヒロちゃんの所に行こうかと思ったけど私が行けばきっとまた送るって言うと思ったからそれも出来なくて……
ずっと不安で一睡も出来なくて…それでタクシーに乗ったらもう眼を開いてられなくなったの……
あんまり覚えてないけど、誰かが見たって言うなら凭れて甘えてるように見えたのかもしれないけど…
でもわざとじゃないし……誘ったんじゃないよ!
「葉瑠は隙が有りすぎなんだよ。葉瑠にその気がなくても周りの男は誘われてると勘違いして近づいて来るんだから…気をつけろよ」
なんで決めつけるの?
「二人でタクシーに乗ってその後の事はあんまり覚えてないんだろ?」
そうだけど…部長だよ?
親切で送ってくれたのにそんな言い方しなくたっていいでしょ。