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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
「だから隙があるって言ってるんだよ」
もし寝てる間にどこかに連れ込まれたりしたらどうするんだよ。
いつも優しいからって安心してるな…
なんで分かんないんだよ!
何かあってからじゃ遅いんだよ。
葉瑠が一生懸命助けを呼んだって俺は…助けに行けないんだから…
俺だって眠れないほど心配したんだ、
ずっと連絡が来るの待ってたのに、男に甘えてたなんて聞かさせたら言いたくもなるだろ?
「そんなの……」
鏡也君…凄く怒ってる!
言われてみればそうなんだけど……
でも……私だって…そうなりたくてなったわけじゃないのに
グッ…グッ…
「ほらっまた泣く」
葉瑠が泣いたら俺は…何も言えなくなるだろ?
グッ…「なによ……鏡也君だって」
私に不満があるなら直接言ってくれたらいいのに…なんで人に相談なんかして……グスッ…
「私に不満があるんでしょ?ハッキリ言えばいいのに」
「なんだよそれ?なんのこと?」
私が頭痛になったのだって、元はと言えば鏡也君が遠藤さんに相談なんてするから…それでずっと不安で眠れなかったからでしょ?
なのに私ばっかり責められて…なによバカッ。
グッ…ダメだよ泣いちゃ!また言われちゃう…
「葉瑠…どういうこと?俺が何を相談したって?」
「私、ダメなとこばっかだから……でもハッキリ言ってくれたら直すのに」
「はあ?誰がそんなこと言った?…」
「………//」
そこからお互い無言で時間だけが過ぎていった。
なんでこんなふうになっちゃったの?
「葉瑠今日はもうやめよう、お互いちょっと冷静になって考えよ」