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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離

「遅いから気を付けて帰れよ」はい。

部長の乗ったタクシーを見送った後……ん?

何となく視線を感じて振り向いた。

「あっ!………遠藤さん」
なに?なんで私、遠藤さんに睨まれてるの?

ゴク…え?
今まで睨んでたのに今度はニヤリと口角を上げて小さく笑うの。

あっちょっと遠藤さん待って!

この前の事は気にしないって思ったけど、そんな遠藤さんの顔を見たら我慢ができなくなった。。

確認しなきゃ…
「遠藤さんに聞きたいことが…」
「なんですか~?」

面倒くさそうな返事になんかイライラする。


「この間…鏡也君が可愛そうって言ってたけど…それってどういう意味?」

遠藤さんに私の事で相談でもしてるの?


「あ~あれですか?」
鏡也さんは葉瑠さんの事を信じてるんだから相談なんてしませんよ!
でも見たんです私…葉瑠さんがヒロユキさんと仲良く手を繋いでマンションに入ってくの

それにこの前もタクシーで男性の肩に凭れちゃって甘えてたじゃないですか?
今の人ですよね?

今までデートしてて、今度はヒロユキさんにでも逢いに行くんですか?
お盛んですね葉瑠さん…凄いわ!


ちょっと待ってよ!

私がヒロちゃんと手を繋いでたって言いたいの?

それは………わけがあって…


それに…鏡也君が言ってた…わざわざ俺に連絡してくるヤツって…遠藤さんだったんだ。

「……それは……誤解です。そんなんじゃなくて」
「してたでしょ?見たんですから」


私が部長に送って貰った時の事でしょ?
「ほらっ?心当たりがあるんでしょ」えっとそれは

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