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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
勝手知ったる他人の家。
私のバックを持つと部屋の電気も全部消されて外に連れ出された。
洋子さん…そんなことしなくても逃げないから
自分の腕を私の腕に絡めるとすぐに歩き出す!
「あの洋子さん、どこ行くの?」
「ヒロユキの店だから心配しないで」え?
仕事以外では人と話したくなくてヒロちゃんのお店にもずっと行かないようにしてたのに……
なんで突然……
「ただ飲むだけよ、いいでしょたまには」
そんな気分じゃないよ。
「洋子さん、私ね具合が悪くて寝てたの」
「大丈夫よ…少しくらい飲んだ方がすぐ直るから」
そんなわけないでしょ?
「いいから気にしない気にしない」
カランカラン
「来たな葉瑠ちゃん…あっ、えっとずいぶん久しぶりだな」
うん、そうだね。
なかば強引に連れてこられて何だか気まずいよ。
ここに来ると、また寂しくなっちゃうよ
「ヒロユキ…何か葉瑠ちゃんに栄養のあるものお願い」
「おう。待ってな葉瑠ちゃん」
ヒロちゃん私の顔を見て驚いてた。
食欲がなくてあんまり食べてないからかな?
会社でも、最近は珈琲しか飲まないから、みんなに痩せすぎだって心配されちゃってるし
暫くすると、さぁ食べな!ってたくさんの料理を並べてくれる。
せっかく用意してくれたから食べなきゃって思うんだけど─
ヒロちゃん。こんなに食べられないよ…
手を付けない私を二人がジッと見てる……
……わかった食べるから!
ヒロちゃん達は私達の事知らないんだから心配させちゃいけないね!
「美味しそう、いただきます」