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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
でもごめんねヒロちゃん、最近食べてないからすぐにお腹一杯になってちょっとしか食べられないや
「葉瑠ちゃん展示会終わってどこ行ってたんだ」
せっかくBBQしようと思ったのにな~って!
そっかBBQ…やろうって言ってたね、
「あっえっと、お母さんのとこに行ってたの、ごめんねお土産忘れちゃったんだけど……」
みやげなんていらね~けど、なんだそうかお母さんとこだったか。
「うん、そうなの」
ごめんねヒロちゃん。
誰にも逢いたくなくて部屋で引きこもってたなんで言ったら心配させちゃうから
あたり触りのない会話、もしかして鏡也君から何か聞いてるのかな?
いつもなら絶対鏡也君の話しになるのに…今日はまったく名前が出てこないから……
♪:*:・♪♪'°☆♪──洋子さん電話だよ。
「あっほんと……もしもし」
洋子さんの携帯に着信……仕事の電話かな?
携帯を握ったまま奥の席へと移っていった……
「ヒロちゃんどうだった?BBQ」
「あ~葉瑠ちゃんがいね~から中止にした」
え?そうなのごめんね。
「葉瑠ちゃん」…あっ洋子さん
早いね電話終わったの?
どうしたの?スマホを持ったまま動かないけど
「鏡也君から─電話なんだけど」えっ?
葉瑠ちゃんに代わってって!
……鏡也君…?急にバグバクと心臓が動き出す!…
だめだよ、まだ気持ちの整理が出来てないもの
「葉瑠ちゃん鏡也君…だよ」ブンブン
……どうしようこんなとこで言われたら……
「葉瑠ちゃん奥の部屋空いてるから行っといで」
「………ぅっ、うん」
やだ……手が震えちゃう!