この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
震える手で洋子さんからスマホを受け取り奥の個室へ…
「ふぅ~」ダメだもう泣きそう!
涙が溢れて目の前が霞んでくる。
いよいよ……この時が来ちゃった。
「もし、もし」
「葉瑠……」ウッ、グスッ、
愛しくて懐かしい声。
ずっと逢いたくて逢いたく堪らなかった……
なのに……今は辛くて仕方がない。
「葉瑠…何度も電話したんだよ」
「………///」わかってるけど……
そんなに優しく言わないで、辛くなる!
「はぁ~」……鏡也君の大きなため息…完全に呆れてるんだ往生際が悪いって。
「ご、めんね、私、まだ…」グッ……
「俺さぁ葉瑠に言わなきゃいけないことがある」
グスッ…グスッ、…やっぱり!
葉瑠…近いうちにそっち行くから会って話そ。
ブンブン…だめ、逢ったら私、受け入れられなくなる
だってまだ、鏡也君のこと大好きなんだもん!
気持ちの整理なんで出来ないよ
もういいから…いいよ今で。
言ってくれていいから……
「今、言って」
もう覚悟決めなきゃいつまでも逃げてるわけにはいかないもんね。
でもその前に言わせて…誤解されたままはイヤ
「私は、ずっと鏡也君…だけだよ」
遠藤さんがなんて言ったか知らないけど、部長の事は誤解だからね
それに…ヒロちゃんの事だって……手を繋いでたって聞いたでしょ?
それはね、私が1人で帰ろうと店を先に出ちゃったからいけなかったの…
酔っ払って騒いでる人達にカラまれちゃって…怖くて脚が震えたからヒロちゃんが手を借してくれただけ…
「なんだよそれ!ヒロちゃんそんなこと言ってなかったぞ」