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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離

「あっあの私が言わないでって言ったの」
鏡也君心配しちゃうから…ごめんなさい

でも何も無かったから……ヒロちゃんが助けに来てくれたから大丈夫だったよ?

「そうかそんな事が」……鏡也君の小さな呟き。

「……怖かったな。ごめんな俺が葉瑠の事を護ってやらなきゃいけないのに」

ううん、そんなのはいいの
まるで自分を責めるかのような言葉…そんなこと言わないで。

「鏡也君…ほんとにヒロちゃんも部長の事も……」
「わかってるよ、信じるから」

ほんと?信じてくれるの?
じゃ─別れるなんて言わないよね?……

我儘な所や意地っ張りは、少しずつ直すから!

……遠藤さんが私に言ったことは違うんだよね?

「鏡也君?私と別れようとしたんじゃないよね?ね?違うんでしょ」

鏡也君…返事して、
「…あの………葉瑠…聞いて」なに?

「俺の転勤の事なんだけど……俺1年じゃ、帰れないんだよ!」

頑張れば何とかなるって想ってたんだけど…でもやっぱりそんな甘いもんじゃなくて。

「葉瑠に言わなきゃって思ってたのに言えなくてさぁ………ん…」

鏡也君…どうしたの?
そのあとの言葉に詰まってる。

なに?
急に胸がザワザワして不安になるじゃない

「この1カ月ずっと考えてたんだけど─」

あと2年、もしかしたら3年かもしれないし俺はこっちに居なきゃなんない。

「葉瑠はそんなに俺を待てないよな?」

さっき言ってたように、もし葉瑠に何かあっても俺はすぐに駆け付ける事も出来ないし…

俺は葉瑠を護ってやれない。

それが凄く悔しいんだ……だから………

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