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秘密のキスは蜜の味【完結】
第31章 離さないでよ……
こんな遅い時間に一人で……俺が一方的に葉瑠を遠ざけたのに、俺に逢いに?……
いつ帰ってくるかも分からない俺をひとりで待って、不安だったに違いない。
こんなに俺を必要としてくれてる葉瑠に俺は酷い事したんだぞ……許してくれるの?
「きょうや、くっ…私が…そばにいたら…迷惑?…もう…好きな人…いるの?」
違うそうじゃない。迷惑なんかじゃないし葉瑠以外に好きなヤツなんて出来るわけないだろ?
ずっと一緒にいたい、けど今は出来ないから……
でも漸く気づいたんだよ!
俺も葉瑠が居なきゃ…ダメだって事が。
葉瑠が……俺に手を延ばして来る。
「葉瑠…」俺は葉瑠の手を掴んでもいいの?
いつも見る夢のように誰かにまた連れてかれるんじゃ……
でもやっぱその手を掴みたい。ゆっくり葉瑠に手を延ばした…
僅かに葉瑠の指先が触れるのを感じその手を強く握った。
そして─……強く強く、葉瑠を抱きしめた!
「ごめん俺も…やっぱり葉瑠がいなきゃだめだ」
「………ヒック、ウェッ…」
「葉瑠…俺のそばにいて、勝手だけど……俺についてきてほしい」
やっぱ、離れてたらダメだ!
頼む、うん。って言って
コクコク、泣きながら何度も頷いてくれる!
葉瑠いいの?ほんとに……後悔しない?
そばにいてくれんの?
「もう、ヒック、絶対…離さないで…」
抱きしめていた手を少しだけ緩めて顔を覗くと
「離れない…逃げても…追い掛けるから」って!
溢れ続ける葉瑠の涙を手て何度も拭ってやる…
すぐにじゃなくても葉瑠がそう言ってくれだだけで安心する!
「葉瑠…もう泣かないで…顔見せて」