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秘密のキスは蜜の味【完結】
第31章 離さないでよ……
密着した身体はそのまま…顎に手を添えると─
通路の薄暗い照明が葉瑠の眼に反射してキラキラと光って見える。
顔を見るのは半年ぶり、少し痩せたね!
それはきっと俺のせいだな。
視線を絡ませ合ったまま…葉瑠の細い指が俺の顔に伸びて来る…
そして眼の前の存在を確かめるようにゆっくりと顔をなぞりだした。
「愛してるの」
俺だって…ごめんな寂しい思いさせて、もう二度と離さないから…
葉瑠の気持ちが嬉しかった。
ここでどんな気持ちで俺を待ってたの?
そう想ったら愛しくて切なくなった。
もう我慢なんて出来なくて…唇を奪うように重ねる
「んっ…っんぅ…んっぅ……」
強い力で抱きしめあったまま貪るように交わすくちづけ…
葉瑠を玄関のドアに押し付け何度も絡ませ合った。
次第にそれは激しくなって二人の吐息だけが古びたアパートの通路に響く。
「っ…はるぅ、…ぁ、」
「ぁ、っ…鏡、也…ん…ぁっ、ぅ」
ガチャン……
「「…?!……」」パッ…ガタン!
すると突然、どこかの部屋で鍵を開ける音。
すぐに葉瑠から離れ…なに食わぬ顔で星空を眺める
誰だ?…葉瑠を隠すように背中を向けゆっくりと振り返った。「………!?」
通路の物音に気付いて気になったんだろう、ドアを少しだけ開けて外を覗く隣のオヤジと眼が合った。
一瞬の沈黙のあとオヤジはすぐに引っ込んだから良かったけど。
バタン…ガチャン。
クスクス「危なかったな」
うん「ビックリした」ウフフ
葉瑠と眼が合って思わず笑ってしまった。
「おいで」
玄関の鍵を開け葉瑠を部屋に押し込んだ!
「荷物が…」分かってる。