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秘密のキスは蜜の味【完結】
第31章 離さないでよ……
***
部長、我が儘言ってすみません!
「それは二人で相談して決めたのか?」

このことは鏡也君にはまだ言ってないの……私がそうしたくてひとりで決めた。

鏡也君とまた遠距離になってよく分かった。
私、ダメなの鏡也君が近くにいないと…

ずっと遠距離だったのに、近くにいられるようになったら好きが溢れて止まらなくて……

「離れてると仕事も集中出来ないし」
「ふぅ、それは俺もそう思ってた」

宮下は何かあるとすぐ顔に出るからな……
お前の価値は彼氏次第なんだなって!

後悔しないか?せっかくここまでやってきたのに─


それは…するかもしれないけど今は他の選択肢がないんです。

部長にはずぅと迷惑ばかり掛けて申し訳ないって思ってます。

「わかった、だがすぐって訳にはいかないぞ」
「はい!分かってます」

これから後任の人事を決め、全部引き継ぎだってしなきゃいけない。

もしかしたら私が辞める前に鏡也君は戻って来るかもしれないけど……時間に追われる生活にもう疲れちゃった。

これからは、アルバイトでもして鏡也君の帰りを待っていたいから!

退職するまでは数ヵ月は掛かるだろうから鏡也君にはまだ内緒にしとこう。

でもまさかこの後……
突然の別れが待ってるなんて想いもしなかったから…

すぐに鏡也君に言えばよかった。

そしたらこんなに苦しい想いをしなくてもよかったのに……

「鏡也君…全然電話に出てくれないから……」

連絡取れなくて辛くて諦めようって名古屋のお家にずっと引きこもってたんだけど……

お母さんがね、私の背中を押してくれたの。

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