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秘密のキスは蜜の味【完結】
第8章 もう一度好きって言って
「……スキ。」
それはすごく小さな声だったけど─でも俺にはハッキリと聞こえた。
「葉瑠?──」
バシャ─バシャン─
葉瑠の身体を抱え俺と向き合うように抱き直す。
「葉瑠?もっかい言って」
「ダメ。………言わない!」
なんで?
何度聞いても首を振るだけで言ってくれないんだよ─
「葉瑠、お願いもっかいだけ」
頼むよ!ちゃんと聞きたい。
「……ダメ…言ったら、我慢出来なくなるもん」
「なんで我慢すんの我慢しなくていいじゃん─俺が全部受け止めるから」
葉瑠の可愛い眼に涙が溢れ今にも零れそうだ、
「………ゥッ…」
「お願い葉瑠…言って!」
葉瑠は唇を噛み締め震えてる。
すると葉瑠の瞳からついに涙が零れ落ちた!
俺の首に手を回し顔を寄せて……
「ンッ…好き。鏡也…君が…好きなの…ウエッ、グスッ」
──葉瑠…あぁ……やっと言ってくれた!
たまらず葉瑠の身体を抱きしめた。
すげ~嬉しいよ。
今だに心臓は激しく鼓動して煩いくらいだ。
ありがとう!葉瑠
「でも…ね!ンッ…祐輔も…大事…ンッ、…なの。」
──うん。
嗚咽しながら必死に話そうとする葉瑠
俺は背中をさすり葉瑠の言葉をゆっくり待った。
「4年も…付き合…ってん…の…ウェ…。」
うん。
「私を、凄く…大事に…してくれて……ンッ」
うん。
「大切な人…なの…!」
───うん。
「簡単に…終わり…になんて出来ない…の」
……うん。
それは、分かってた事だけど!
きっと葉瑠は俺と終わろうとしてるんだな。