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秘密のキスは蜜の味【完結】
第9章 どうしたらいいの?

様子が気になって実家を抜け出し祐輔の部屋までやって来た……
「祐輔?…」
「葉瑠…」

深刻な顔……どうしたの?
祐輔は私の顔を見ると不安そうな顔で抱きしめてくる!

「何があったの?」

眼が充血してるし──
こんな祐輔は見たことがないよ。

「実は……」
なんでも、大口の契約に向かう途中に電車の中で資料を無くしてしまったらしい……

約束の時間にも行けず契約が取れなかったって!

会社に大きな損失を出してしまったって酷く落ち込んでる。


「疲れてて電車で寝ちゃったんだ!起きたら横に置いてたはずの資料はないし寝過ごして時間は過ぎてるし……部長から何度も着信あったのに全然気が付かなかった」

私を抱き締める腕に力が入り震えてる。


「祐輔…」

なんて声を掛けていいかわかんなくて…私はただ祐輔の背中を摩ることしか出来なかった


「俺、クビになるかも」

「何言ってんの‼ そんなことあるわけないでしょ──仕事のミスは仕事で返すんじゃなかったの?」

私が前に仕事でミスしたときはそう言ってくれたでしょ!

「……そうだけど、俺は処分が決まるまで自宅待機って言われてんだ。部長達は休日返上で緊急会議。きっとクビだよ」

祐輔らしくないよ! こんな弱気になって……


「…葉瑠…どうしよう!今日は一緒にいてお願い」


鼻先が付くほどに顔を寄せ不安げに囁く、祐輔の吐息が胸に刺さるようで苦しくなった!

「祐輔………大丈夫。一緒にいるから…ねっ。」

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