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秘密のキスは蜜の味【完結】
第10章 ダメ…離さない!
****
葉瑠達がお土産を買いに行ってる間ベンチに座り一息付いていた!

英美ちゃんからの思わぬ誘いにガッカリしたけど、葉瑠も喜んでたし悪くなかったな。

お化け屋敷の葉瑠を思い出すと可愛くて笑えるし!

ひとり物思いに耽っていた時──
…なんとなく視線を感じて振り返ったんだ。


「鏡也」

「………!久美子」

「久しぶりだね。元気だった?」


なんで……

「私…日本に帰って来たの」

「鏡也に逢いに行こうと思ってたんだけど、なんとなく行きにくくて…」

「………」

「良かった!今日逢えて……?…鏡也?」


「今頃逢ってどうすんの?」

「……鏡也」

なんだよ今頃になって!


〝あっやっぱり久美ちゃんだぁ〟


はっ!真司の声に振り向くと葉瑠の不安そうな顔が眼に入った。

両手にたくさんの紙袋。
…またいっぱいお土産買ったんだね!

久美子は英美ちゃんと真司と話し込んでる。


「じゃ行こうか」
葉瑠の手から袋を取って歩き出した。

その時、久美子に手首を掴まれたんだ。

「鏡也待って!まだ話したい」

なに言ってんだ。
今更何を話すんだよ──

「お願い。話し聞いて」

もうやめてくれよ。

でも久美子の勢いに振り払う事が出来なかったんだ。

〝話し聞いてあげたら?〟

葉瑠の不安そうな顔に…ちゃんとけじめをつけて葉瑠と進もうと思ったんだ。


「葉瑠…心配いらないよ。すぐ戻るから待ってて!一緒に観覧車乗ろうな!」

ほんとに少しだけ話してすぐ戻るつもりだったのに……

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