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秘密のキスは蜜の味【完結】
第10章 ダメ…離さない!

ママさんに連れられ暫く歩いて行くと大きなマンションに着いた。

「心配しないで私の家よ。誰も居ないから」

どうぞ入って!


「すみませんお邪魔します」


いいのよ。私ね幸子(さちこ)って言うの。

お店は読み方を変えてるだけ。単純でしょ?クスッ


幸子さんは独り暮らしなんだって!

いつも一人だから私が来てくれて嬉しいって色々と世話を焼いてくれるの。

幸子さんの優しさが嬉しくて暖かくて、まるでお姉さんみたい。


いろんな話をしてつい鏡也君の事も喋っちゃった!

「あっもうこんな時間帰らなきゃ」

「また彼氏とお店にでもいらっしゃい。」


「───!」
黙って俯いていると──

「ひとりで余計な事考えてないで、先ずはちゃんと彼の話を聞くこと、あとはそれから考えなさい」

いい?

「………はい。幸子さんありがとう」コクン。

幸子さんに話を聞いてもらって少し気持ちが軽くなったかも─

何で来なかったのか鏡也君に聞かなきゃ。


なにかあったのかも? うんきっとそうだよ!

鏡也君を信じよう。


「どこまて行くの?車で送るわよ。また迷子になっても困るわ」クスックスッ。

幸子さんがそう言ってくれたけど、それはさすがに申し訳ないから丁寧にお断りした!

「駅までの道を教えてもらえばもう大丈夫です」

ちょっとだけ心が軽くなり早足になる。

鏡也君?─約束破ったからあとで何かしてもらうんだからねっ!

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