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秘密のキスは蜜の味【完結】
第10章 ダメ…離さない!
まだ遠くには行ってないはず!
汗だくになって葉瑠を探し回るけど見当たらない。
今頃きっと泣いてる!
葉瑠の気持ちを想うと苦しくなる!
ごめん。傷つけて!こんなことになるなんて……
どこにいんだよ!
せっかく葉瑠が帰ってきたのに全部裏目に出る。
くそっ! 俺、何やってんだ。
葉瑠は絶対誤解してる。
当然だよな、あんなとこ見たら誰だって………
せっかく想いが通じたのにこんなことで終わるわけにはいかないんだよ!
今度は絶対俺が見つけなきゃ。
いろんなとこを走り回って捜すけど見つからない。
もしかして電車に乗ったか?
終電で帰るはずだったけど、こんな状況じゃ早い電車で……
このまま逢えなかったら……
そう考えたら不安で仕方がない!
葉瑠……出てきてお願い。
いくら捜してもいない…どうしたらいいか分かんなくて俯きながら歩いていると…
俺の視界の端……店舗横の狭い通路が今…動いたような気がした。
んっ?………暗い通路を眼を凝らして見ると…
……葉瑠…?
しゃがんで膝を抱えてる。
あっ。葉瑠… 良かった見つけた!
ゆっくり近付いて腰を落とした!「葉瑠…?」
葉瑠は俺を見てビックリして立ち上がった。
やっぱり泣いてたね!
暗がりでもわかる眼がうさぎさんだ。
「葉瑠…良かった見つかって」
手を伸ばして触れようとすると後ずさる……
葉瑠…?葉瑠の行動に胸が締め付けられる
「──俺の話し聞いて」