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秘密のキスは蜜の味【完結】
第11章 君は俺だけのモノ
「葉瑠と4年も一緒にいるんだよ」
「葉瑠の事ならなんだって分かる。ずっと悩んで俺に言えなかったんだろ?」
祐輔の言葉を聞いて、胸を押し潰されたように苦しくなった。
「……ゆうすけ…ウッ……ごめんなさい」
「葉瑠……その人に会わせて!ちゃんと俺が諦められるように振ってくれなきゃ」
祐輔…なんで?なんでそんなに優しいこと言うの?
「もっと責めてよ。罵ってよ」
「俺が葉瑠を責めて…絶対許さない…別れないって言ったら葉瑠はどうするの?」
………祐輔。わたし……
「また俺の事好きになってくれるなら責めるよ。ほんとは誰にも渡したくない」
「でもそんなことしたら葉瑠は俺を嫌いになるでしょ?そんなの耐えられない」
祐輔…ヒックッ…ごめんなさい。
なにも言えずに泣いてる私の涙を拭ってくれる!
「俺…ほんと葉瑠の涙に弱いから」
〝あんまり泣かないで!抱き締めたくなる〟
祐輔は私を後ろに向けて両肩を掴んだ!
「葉瑠…その彼に俺が会いたがってるって伝えて」
〝都合がついたら連絡して〟
私の肩を持つ手が震えてる!
「あっ祐輔…」
振り返ろうとすると強く肩を掴まれた。
「葉瑠……今日はこのまま帰って」
今の顔は葉瑠に見せられないって……
祐輔…泣いてるの?声が震えてる!
祐輔の様子に鼻の奥がツンとして涙が溢れてきた。
「ゆうすけっ……」ごめんなさい。
「んっ…葉瑠…またね」
背中を押され部屋を出された。
バタン……ガチャン。
玄関の締まる音が酷く冷たい。
改めて自分のした事に罪悪感が出てきた。