この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘密のキスは蜜の味【完結】
第11章 君は俺だけのモノ
テーブルを挟んで彼氏と向かい合う。
「あっ珈琲でも入れるね」
当たり前のように葉瑠がキッチンに立つ。
慣れた手つきで珈琲をセットし棚から食器を取り出してる。
当然何年も通い慣れてるわけで、ここで二人で……
あ~わかってんだけど葉瑠の無意識の行動に正直イライラする!
葉瑠……俺の前でやめてくれよ。
「今日はわざわざすいません」
「あっ……いえ。こちらこそすいません」
「葉瑠が俺と別れようとまで想った人をどうしても見たくて我儘言いました」
「……葉瑠………ちゃんは悪くないんです。」
葉瑠を呼び捨てにしかけて…ハっとした。
彼氏からしたら自分の彼女を呼び捨てにされるとかイヤだろうな?
今更なんだけど俺と葉瑠の関係が深いと葉瑠が悪く思われると思った。
「俺が一方的に好きになって迫ったんです」
「それは違うよ」
俺の言葉を聞いて…葉瑠が慌てて俺の横に座った。
「私だって……鏡也君の事は何度も忘れようとしたんだけど、全然出来なくて……私が優柔不断でハッキリ断らなかったから…… いけないの!だから…」
「フッ…もういいよ分かったから」
「葉瑠……二人で話したい。珈琲入れてきて」
あっごめんなさい。
「俺…大阪に転勤するんです!葉瑠にも一緒に行って欲しかったんだけど……」
「大阪に……そうですか」
「前にプロポーズもしたんだけど……結局ダメでした」
えっ?プロポーズ……そんなとこまで話が進んでたのか……
葉瑠は俺にそんなこと一言も言わなかったな!