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秘密のキスは蜜の味【完結】
第12章 ゼロから始めよう

あっ!……こっそり見送ろうと思ったのに見つかっちゃった。

「─下向いて歩いてたら危ないだろ」

祐輔はそう言って立たせてくれた!

私の服の汚れを払って、はぁ~ってため息。

「もう俺は葉瑠を護れないんだからな」


うん!ありがとう──でも良かった会えて。

「最後にどうしても見送りたくて来ちゃった。ごめんね」


「フッ。もういいよ─俺さ。葉瑠を憎もうとしたんだ!裏切られて辛くて落ち込んで」

───祐輔

「でも出来なかった。葉瑠の笑顔ばっか浮かんできて。─葉瑠には来るなって言っときながら……やっぱり最後に会いたくて」

「一本早い電車で行こうと思ってたのに、もしかして葉瑠が来るかもって思ったら…動けなかった」

俺って女々しいよな!───

祐輔……ごめんなさいほんとに


「でも最後に葉瑠の顔見れて良かったよ。」

うん…私も!

「葉瑠…もし…もしなにか困ったことがあったら…あっイヤ、何でもない!」

何か言いたそうにしてたけど祐輔は言葉を呑み込んだ…私はもうそれを聞いたらいけないね。

「俺さ大阪で頑張るから…葉瑠も元気でやれよ」

「うん。祐輔も元気でね」
ほんとに傷つけてごめんね!


「あぁ。もう行くよ、じゃあな」

優しく微笑んでくれて嬉しかった!


祐輔はやっぱり最後まで優しいんだもの!


小さく手を振って祐輔の後ろ姿を見てたらね、なんだか涙が溢れてきちゃった!


祐輔!今までありがとう。
ごめんね仕事頑張ってね。

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