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秘密のキスは蜜の味【完結】
第12章 ゼロから始めよう
「じゃ葉瑠…行こうか?」うん。
改札を抜けると外の寒さが身に染みる。
「葉瑠寒くないか」
「はぁ寒いね。風が冷たい」
「鏡也君おでん食べよ~ね!あるよね?」
「大丈夫あるよ」
「ビックリするかな?幸子(さちこ)さん─」
そう今日は『幸(ゆき)』のママさんに会いに行くんだ。
迷子の葉瑠を保護して連絡をくれたのに、ずっと御礼も出来なくて─
葉瑠が気にしてたから、ふたりの報告も兼ねて挨拶に行くことにした。
────
ガラガラ……
「こんばんは!幸子さん」
「あらっ!いらっしゃい。どうぞ」
「やっと来てくれたわね。……ふたりで来たって事は上手くいったのね?」
「お礼が遅くなっちゃってごめんさない」
ママさんは俺らを笑顔で迎えてくれた。
葉瑠も凄く嬉しそうで良かった!
「鏡也君……だったかしら」はい。
「あの時はほんと葉瑠がお世話になりました」
「今度は迷子にならないようにちゃんと捕まえときなさい」フフッ。 ───はい。
「ゆっくりしてってね」
カウンター席は空いてなくてテーブル席に座ろうとしたんだけど……
「ほらそこの席詰めて」
ママさんが常連さんらしき人達に声を掛けてくれた。
あっいや、テーブルでも……
「あ~悪かった。カップルはカウンターに座る方がいいんだぞ。隣でくっ付きたいだろ?」ハハハハッ。
あっまぁ~確かに!
「しかし珍しいな。こんなかわい子ちゃんが店に来るなんて」
「いいでしょこの二人。私のお気に入りよ」
ママさんの言葉が嬉しかった。
葉瑠も嬉しそうにニコニコしてる!