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秘密のキスは蜜の味【完結】
第17章 心配でたまらない
***
「葉瑠…もう行かなきゃ」
「あっ、うん」

「送っちゃダメなの?」
「ダメだ」
そしたら俺がまた葉瑠を送らなきゃならないだろ?

靴を履いて振り返った。
葉瑠…そんな顔しないで…帰れなくなる!

「うん。鏡也君…最後にギュッってして」
「葉瑠…」
両手を延ばすと飛びこんでくる。

優しく触れるだけのキス……
「鏡也君ありがと…もう行って」

あぁ葉瑠…またな!


─────
駅に着いて電車を待ってる時だった…
近くにいたカップルの会話が耳に入ってきた!

『昨日そこのマンションに不審者が出たんだって』
『マジか?……お前一人で帰るとき気を付けろよ』
『最近多いね。怖いなぁ』

お母さんも不審者が……って言ってたな!

(この前、かぎ掛けてなかったわよ)
葉瑠…玄関閉めたかな?


ピ…ピ…ピ…ピ…トゥルルルル……トゥルルルル
心配になって電話を掛けるけど……全然出ない。

なんで出ないんだよ。風呂かな!

不審者…まさか家の中までは入っては来ないよな。

でも玄関が空いてたら……

葉瑠…頼む電話に出て!

トゥルルルル……トゥルルルル

その時電車がホームに入って来た。
これに乗らなきゃ今日中に帰れない!

きっと風呂に入ってんだな。
お母さんに言われたんだ…きっと鍵も掛けてるはず大丈夫だ!

しょうがない。メールだけ入れとこ!

♪♪~♪♪~♪♪
列に並んで順番を待った………

ドンッ!「あっすみません──」

葉瑠…大丈夫だよな!乗るよ電車。

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