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秘密のキスは蜜の味【完結】
第20章 話し聞いてよ!
翌朝…出勤時間ギリギリまで待ったけど鏡也君は帰って来なかった。
はぁ~!もう行かなきゃ……
もしかして─
私が寝てる間に帰って来たのかな?
部屋の明かりに気付いて引き返したのかも……
やっぱり…私には逢いたくなくて──!!
そう思ったら…胸をギュッって掴まれたみたいに苦しくなった。
鼻の奥がツンってして涙が滲んでくる。
グスッ…グスッ……
鏡也君…何度も私を追い掛けてくれたのに─
こんなに簡単に壊れちゃうなんて
ごめんなさい!
──//──//
とても仕事する気分になんてなれないけど、転勤が決まった課長にはしっかり仕事で返さないと。
課長の代わりに来たんだもの……
恥をかかせないようにしなきゃ。
予定通り会議に参加して報告書も何とか作成した!
課長が折角お膳立てしてくれたけど、もう何の予定も無くなっちゃった。
帰ってもやることもないし……久しぶりに都内を散策してから帰ろうかな…
別に行きたい所なんてないけど…仕事にもなるし…気が紛れる。
そうだ!今日はたくさん歩こ…今夜ぐっすり眠れるように。
目的もなくただ歩く、気になるショップがあると立ち寄って眺めて……
あっ…でも…ダメだ!
北海道で鏡也君とペアのブレスレットを買った時の事がふと頭に浮かんで…胸が痛いよ。
ウッ……今は何をしても鏡也君を思い出しちゃう。
繋いだ手を眺めて嬉しかった時が嘘みたい。