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秘密のキスは蜜の味【完結】
第20章 話し聞いてよ!
手首の上からブレスレットを握り…祈るように胸に引き寄せる!
──もう帰ろう!
グスッ…ズー……ズー…ズー…
ダメ……もう泣かないよ!
「葉瑠ちゃん」えっ?
「なんだ来てたのか?こんなとこで何してんだ」
名前を呼ばれて視線を向けると。
「ヒロちゃん!」
「グスッ、あっ…えっと今日は本社で会議があって、ヒロちゃんこそ…どうしたの?」
ヒロちゃんと眼を合わせたらさっき泣いてたのがわかっちゃう。
俯きながら必死に言葉を探した。
「誰かと思っちゃった!いつも会うのはお店だし夜だから…昼間出歩く事なんてあるんだね……」
「アハハハ、俺はコウモリじゃね~よ?洋子に頼まれて買い物に来たんだよ…」
そっか!
そうだ─ヒロちゃんなら何か知ってるかも…
それとなく聞いてみよう!
「あのヒロちゃん?鏡也君は…昨日お店に来た?」
「昨日?イヤ来てね~よ」
─そう…じゃ、鏡也君どこに泊まったんだろう。
ヒロちゃんが不思議そうに私の顔を覗き込んで来るから…何かを探す降りして背中を向けた!
「葉瑠ちゃん…なんかあった?鏡也と喧嘩でもしたのか?…」
ううん。違うよ……
「こっち来たんなら今日会うんだろ?鏡也と」
あっうん!そうそう……
ヒロちゃんの様子だと事故とかじゃなさそうだね。
良かった!
私達の事も……何も知らないんだ。
やっぱり…私が避けられてるだけみたい……
だめだ!
胸がズキズキして苦しいよ!