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秘密のキスは蜜の味【完結】
第20章 話し聞いてよ!
何もないよ…だって逢ってないんだもん鏡也君に。
「な~んにもないです。折角本社に行かせてもらったんですが…課長に報告出来る事は何も……」
「俺のせいか?」
ブンブン…違いますよ。
「俺が電話に出たから彼氏が誤解して……」
「違います。その前からいろいろあったんですよ、いいんですもう‼」
私、キャリアウーマンになって仕事バリバリして…でも年取ったら独りじゃ寂しいから、そのうちシングルマザーになって子供と二人で暮らすんです!
「バカっ。なに言ってんだ!話しが飛躍し過ぎだ」
…いいんです、ほんとに!
「話し合ったんじゃないのか?……宮下……」
課長は私の顔を覗き込んでくる。
「………私…相当嫌われちゃったみたいで…連絡も付かなくて」
でもほんとに、もういいんです!
もうほっといて下さいよ。
投げやりな私を課長はジッと見てくる。
「…じゃ何で泣いてんだよ」
課長に頬の涙を拭われて…止まらなくなっちゃう!
「アハハハ、やだ、困る…なんだろこれ……」
私ったらまた課長の前で、顔を反らして涙を必死に拭ってるのに私に近付いてくる!
「ちょっと!やだ。見ないで下さいよ」
「宮下…」
ギュッ。「キヤッ」
その時、課長に強く抱き締められた。
「あっ課長、何やってんですか?離して下さい」
ギュッ。ちょっと~苦しいです。
課長ったら、ますます腕に力を入れて抱き締めてきて…何が起こってるの!
こんなとこ誰かに見られたら……
「宮下。今から俺が言うことを黙って聞け」