この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘密のキスは蜜の味【完結】
第20章 話し聞いてよ!
いいか…独り言だからな!返事もしなくていい。
ただ黙って聞いてろ!……って
課長?どうしたんですか─
「課長?」
「……………俺は……」
「…お前の事が好きだ!」
えっ?─ちょっと待って。
「黙って聞いてろ!」
「たぶん……ずっと好きだった。──でもそれに気付いたのは最近だ」
俺がこの支店に来た時にはもうお前には彼氏がいて、たぶん自分の中で最初から距離を置いてきたんだと思う!
新しい彼氏が出来ても別に今までと変わらなかったんだ。
だけど……お前が泣いてるのを見て俺の中で何かが動いた。
守りたいと思った。
触れたくて触れたくてどうしようもなくなった!
このまま黙って本社に行こうと思ってたけど、お前が俺の前で泣くから……
やっぱり伝えたくなった。
「───//」
弱ってるお前に…こんな事言って付け入るみたいで卑怯かもしれないけど…
俺じゃダメか?
「───//」
自分の言いたい事だけ言って──
ズルいですよ課長。
「…ダメですよ。これ以上私の心の中に入って来ないで…じゃないと…」
でも……ありがとうございます。
その言葉…ほんとに嬉しいです!
でも私は……やっぱり鏡也君が好きだから─
今の言葉は聞かなかったことにしますね。
私、誤解してました!
課長っていい人だったんです…ね。
腕の中が温かくて身体の力が抜けていく……
「─私、力が…入らなぃ……」
「あっおい。宮下……宮下…しっかりしろ!」
暖かな腕の中でそのまま意識が遠退いた………