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秘密のキスは蜜の味【完結】
第20章 話し聞いてよ!
*****
あの日──

『─私、力が…入らなぃ……』

『あっおい。宮下……宮下…しっかりしろ!』

俺の腕の中でぐったりと崩れ落ちた宮下を抱きとめ……慌てて病院に運んだ……

「宮下婦長には連絡してあるので後はこちらで」

そうか、ここは宮下のお袋さんが勤務してた病院だったのか。

患者が宮下だと分かると素早い対応で……
…俺は何も出来ずに社に戻ってきた…


宮下のやりかけだった仕事をみんなで片付け、何とか発送に間に合わせ翌日病院に顔を出した。


コンコン。

「はい…どうぞ」

カチャ… 「藤堂です…どうですか?宮下は」

「あっ藤堂さん。…たいした事はないみたいです。いろいろご心配を掛けしてすみませんでした…」

「いいえ……何もなくてよかったです」

病室を覗くと点滴をされ可愛い顔で眠る宮下が目に入った。


「葉瑠…どうしちゃったのかしら─」

そうかお袋さんは何も知らないんだったな。

俺は宮下から聞き出した事を話して聞かせた。

「みんなに心配掛けたくなくてひとりで耐えてたみたいです」

「……やっぱり一人にしなければよかったわ。鏡也君にも黙ってたのかしら?」

彼には言おうとしてたらしいですが…結局言えなかったみたいで…


「そうですか?……葉瑠が言えば鏡也君なら心配して引っ越して来そうだもの」

それが分かってたから…きっと言えなかったんでしょうね!


「そうですか……」

そうか…そんなにお互いを想って…

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