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秘密のキスは蜜の味【完結】
第20章 話し聞いてよ!
隣で葉瑠が泣き出した。
お父さんお願いします…許して下さい。
「鏡也君ありがとう!でも…鏡也君をここに住まわせることは出来ない。」
「「……お父さん。」」
やっぱり許してはもらえないか……
「鏡也君一時の感情でそんなこと言うな!ここから仕事に通うのは大変だ」
その分週末に葉瑠に逢える時間を作ってやってくれ…
えっ?
忙しいんだろ?仕事。
ムリして通ったら……葉瑠が気を使うぞ。
葉瑠の気持ちは本物だろうな?
「うん。もちろんだよ」
そうか……それなら早めに辞表出して、ちゃんと引き継いで会社に迷惑掛けないようにしなさい。
「…お父さん、それって…」
円満に退職が決まったらまた相談に乗るから。
それまでは…母さん…
ここで葉瑠と一緒に居てやってくれ。
俺は大丈夫だから!みんないいか?それで……
「えぇわかったわ。良かったわね!二人とも」
「お父さんいいの?」
「ありがとうございます」
思うような結果じゃなかったけどまだ望みはあるってことだよな。
ダメかと思ったよ。
「鏡也君…明日課長に話するね?」
「…あぁ!もう少し頑張ろうな?」
少しだけ前に進めたことにホッとする。
まだまだこれからだけど、頑張れるよな!
繋いだ手を握りしめて反対の手で頭を撫でると嬉しそうに葉瑠が笑うから…
忘れそうになる。
目の前に…お父さんとお母さんがいることを………