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秘密のキスは蜜の味【完結】
第23章 愛くるしい君
ドンッ!
下ばっかり見てたから人にぶつかっちゃった。
「あっごめんなさい……」
私が謝ろうと振り返ったから……
鏡也君の手を離しちゃった
「あっ!葉瑠…」
「鏡也君?」
どうしよう……でも進む方向は同じ
人の波には逆らわなければ後で逢える…
こんなとこで騒いでも恥ずかしい
すぐ行くから大丈夫。
なんとか進みながら、ふと人混みの向こうに眼を向けると…あれっ?幼稚園位の男の子が一人で泣いてるのが見えた。
きっとママやパパとはぐれちゃったんだ。
強引に割り込んで漸くそこまでたどり着いた!
「……僕…ママとはぐれちゃった?」
「ママが…ヒックヒック」迷子になっちゃったんだね。
花火大会で迷子なんてどうしたらいいんだろ。
あっそう言えばお巡りさんが警備してたんだ。
そこまで連れて行かなきゃ
───///
「僕…お名前は?」
「……グスッ…」えっと、タクヤ君です。
「何歳かな~?」
「………ウエッ……」4歳って言ってました。
迷子のタクヤ君が私から離れようとしないから…結局私も交番まで来ることに……
交番に来ても男のお巡りさんばかりだし……
私の後ろに隠れてるから…きっと
タクヤ君不安なんだね。
「大丈夫、すぐにママが迎えに来るから、それまでお姉ちゃんが一緒にいるからね?」
「……グスッ、うん」
ガラッ…バタンッ…
タクヤ君に絵本を読んであげていた時…交番の入り口を勢いよく開ける音がした。
「あっママがお迎えに来たのかな?タクヤ君」
すると「いた…あぁ~良かった」ギュッ。
えっ?突然後ろから……抱きしめられた。